昨日はせと・しごと塾の個別相談&起業家養成OUTPUT講座でした。講座のテーマは「事業計画書概論」です。5期生のみなさまは事業計画書を作るという宿題があるので、今の時期、数字と格闘しているかもしれません。それも踏まえて、計画立案に役立つようなヒントもお話ししようと思いました。
個別相談風景
■個別起業相談
1期生の堀切さんが来訪され、「花の家デザイナー二人展」の案内はがきを持参してくれました。アーティストですね~!フラワーアレンジメントやハンドメイドの雑貨の製作などをされています。
個別相談は、「チャンスが到来したが、思い切って進むかどうか?」「新しい教室のチラシづくりをどのようにするのがよいか?」「PCや携帯端末、タブレットの情報管理をどのようにするか?」「店舗を構えるかどうか?」など、多岐にわたりました。みなさま形は違えど、分岐点を迎えている方も多く、その決断のためには様々な判断材料が必要だと感じます。その一つでも提供できればといつも思っています。
■講座:事業計画書概論(起業家養成OUTPUT講座)
1.事業計画書をなぜつくるか、8つの役割
「事業計画書は何のために作るか?」については、コラムにも掲載している通り、8つの大きな役割があります。せと・しごと塾では、ただ卒塾時の発表のために事業計画書を作るというのは、実にもったいない話です。現実に事業を進めるために、文章や数字を考えながら、実際に行動していくことが大事です。
2.ワーク:この事業計画はどこの会社?
配布しているテキスト「起業の50ステップ」の内容を簡単に説明した後、ワークを一つ実施しました。
それは、「この事業計画はどこの会社(組織)?」というクイズです。チームで4つの会社がどこであるか、答えを考えていただきました。
*小さな起業家??もワークに飛び入り参加
企業だけでなく、瀬戸市の総合計画まで混ぜておきましたが、みなさん4つのうち3つは正解。残り一つは同じ解答でしたが、不正解という結果になりました。
地元の金融機関だったのですが、事業計画を見ても特定できないような内容でした。これではホームページに掲げて世間に提示する意味があまりないかもしれないね、という話をしました。銀行名を変えて表示しても全く違和感がありませんからね。
ちなみに、せと・しごと塾に講師として来て下さっている「瀬戸信用金庫」という答えが出たのですが、今回のクイズの事業計画には「当行」という表現が載っていました。瀬戸信さんなら、「当庫」などという表現になることでしょう(ホームページでは「瀬戸信用金庫では」「せとしんは」などという表現となっています)。だから信用金庫ではないと判断できるのですね。
3.塾生4名の損益計画、数字をつくる!
次に、塾生のみなさまの事業をモデルに、損益計画の数字を実際に作ってみました。「売上高がどれくらいになるのだろう?」と、想像もつかなくて困っているという声も聴かれました。
起業の計画は目標でもあるので、どこに目標を置くかによって数字の作り方は変わってきます。売上高をいきなり最初に考えても、ピンと来ないのも無理はありません。そんなときは、営業利益あたりから数字を入れてみます。
例えば、1,000万円の利益を出したい!という焼きそば店を経営したい方がいれば、その1,000万円からスタートして、販管費を考えます。人件費や店舗の家賃、配送の荷造運賃や旅費交通費などを見積もります。この販管費が630万円ということになりましたので、足し算します。1,630万円、これが売上総利益。焼きそばの原価率が当初は40%とのことで、1,630÷(1-0.4)=2,717万円が売上高です。これが「目標」売上高ですね!
ここで終わりではありません(*ここで終わってはいけませんよ)。この売上高が現実的に可能かどうかを検証していきます。昨日の講座では「え~!ムリムリ~!!」という話になったので、修正をかけなければなりません。営業利益の目標額を落とすのは簡単ですが、その前に販管費の削減、原価率の低減などを検討します。何より大事なのは、「いかに売上を実現するか」です。経費や減価率は限界がありますので、「売っていく方法(買ってもらう方法)」を探っていかなければなりません。ここが事業計画書を作成するときに重要となるポイントです。机上の空論では説得力がありません。売上をつくるために、具体的にどんな準備をしていくか、そして手ごたえをつかんでいくか。行動に移すということですね。手ごたえがあれば、起業に弾みがつくはずです。
というわけで、塾生のみなさま、事業計画書はとても「使える」ツールですので、存分に活用していただきたいと思います。
(おまけ)小さな起業家も、上手に「事業計画」書けたようですね!