せと・しごと塾 第12期終了

せとしごと塾第12期終了 せと・しごと塾

せと・しごと塾について

2019.11.15、せと・しごと塾の卒塾式が終了しました。これでスタートから12年、干支が一回りですね。卒塾式に先立って、事業計画発表会が実施され、12期生17名の発表が行われました。

せとしごと塾第12期終了
せと・しごと塾第12期終了

せと・しごと塾は、瀬戸市×瀬戸信用金庫×瀬戸商工会議所が事務局を務め、日本政策金融公庫・愛知県信用保証協会さんなども講座に参加いただいております。詳しくは瀬戸市のホームページをご覧ください。

せと・しごと塾(瀬戸市ホームページ)

第11期までに196名(1期生17名、2期生18名、3期生27名、4期生13名、5期生18名、6期生15名、7期生27名、8期生11名、9期生18名、10期生18名、11期14名)が卒塾しています。また、そのうち115名(入塾当初から開業しているものを含む)が、陶芸・ガラス・木工などのモノづくり、カフェなどの飲食業をはじめ、医療や福祉、デザイナーやカメラマンといった専門技術職まで、多種多様な業種において開業を果たしています。(令和元年5月末現在、瀬戸市ホームページより)。今回17名が卒塾し、トータルで213名の卒業生となりました。行政を中心とした地域一帯の取り組みで、地域オリジナルの産業支援として12年継続している事業は、なかなか珍しいのではないかと思います。

事業計画発表会の様子

それでは、写真とともに発表会の様子をお届けします。

卒塾時事業計画発表会開始前の風景

12期生の計画している事業に関する展示もありました。

陶芸家、村井陽子さんの作品たち
ペンギンのかわいい箸置き

せともの祭や各所の展示会、イベントで活躍されている陶芸家村井陽子さんの作品です。

霧島真吾さん(木工)、霧島奈津子さん(陶芸)ご夫婦の共演

木工と陶芸、霧島夫妻のコラボ展もありました。

田中綾さんのコーナーは書店のようになっていました。

先日来、岩屋堂で「10日間限定古本屋 本・ひとしずく」を開催している田中綾さん。テーブルの上は書店のようなPOPで飾られていました。

!!!

バランスボールに囲まれているのは、12期生の小出暁子さん。この後プレゼンの時間は下のような感じになりました。(どこが通常と違うか、分かりますか?)

何かが普段の風景と違っています。

会場の雰囲気など

発表会の会場入口

当日、事業計画発表会と卒塾式は、瀬戸蔵4階のホールで開催されました。いつもは3階に掲示しているボードを入口に置いて、新聞・雑誌掲載などの活躍ぶりをお伝えしました。

冒頭、伊藤市長の激励でスタート
瀬戸蔵付近の風景

15日は少々肌寒いものの、秋晴れの気持ち良い天気となりました。

プレゼン終了の合図を送りますが・・・

5分間の発表で、終了1分前などでも合図をしていますが、中にはこのフリップが出てきても気づかなかったり辞めなかったり・・・

16時からの卒塾式は、来賓も多いため、事務局もタイムマネジメントを必死で行っています(ありがとうございます)。

一見、何でもない写真ですが・・・

上の写真は、登壇している近藤裕介さん(税理士)が、歌を披露していた時にスリッパで頭を叩かれた直後の風景です。ネタを仕込み、12期生同士で楽しんでいる様子がよく分かりました。同期って良いですね!

卒塾生代表スピーチは近藤さん

卒塾証書授与の後、卒塾生を代表して近藤さんがスピーチをしました。急遽会場に来ることが出来なくなった小笠原さんの手紙の代読もしてくださいました。

卒塾後、そして宴へ

市長、講師、市役所担当者等、関係者のみなさま

12期は奇跡が起こりました。18時からの開始予定で、市役所の近藤さんが「それでは」とスタートを告げたのが定刻通り。「瀬戸時間」と言われ20-30分遅れてスタートすることもよくある中、初めて時間ピッタリに始まったのではないでしょうか?(終了時間もキッチリ2時間で切られていたから?)

澤先生の乾杯でスタート(80代には見えないほど元気)

今回、懇親会では、卒塾生もたくさん駆けつけてくれましたが、最高齢は78歳の谷口さん。介護される側ではなく、今でも介護する側でバリバリ働いていらっしゃいます。話すスピードも若者と全く変わりません。ただただ凄いと思います。

日本政策金融公庫の前田支店長

愛知県よろず支援拠点でも仕事の接点が多い前田支店長が締めの挨拶をしてくださいました。いつも塾を応援していただいております。

自立、貢献、挑戦

こうして、無事に12期を終えることが出来ました。7月から11月中旬までの4か月少々という短い時間でしたが、個人的に取り組んだこともいくつかあり、充実した時間になりました。

私がしごと塾と関わった第1期では、塾生1人を除き私より年上の人ばかりでしたが、12期は平均年齢が私の5歳下となっています。12年という月日の重みを感じますし、時代の変化も感じます。

毎年言うことに決めている「自立」「貢献」「挑戦」という3つの言葉。塾生さんが主体的に地域の課題に立ち向かい、企画や行動という形で果敢に挑戦していただく場面が、12期においても既に多く見られています。貢献も然り。塾生さん同士で助け合うような出来事をいくつも目にすることが出来ました。偶然集まったコミュニティがそのように育っていくのはいつも嬉しく眺めています。

特に「貢献」に関して思うこと

昨今、この「貢献」に関しては、いろいろと思うことがあります。少子化、そして人手不足が本格化した現在、特に中小企業では仕事を受けられる量にも限界が出てきています。ですから、せっかく仕事のオファーが来ても断らざるを得ないことが、たびたび起こってきます。私自身もそうですし、ビジネスチャンスをふいにする、と悩んでいる方も多いのではないかと思います。

人手不足の時代、仕事を選ぶ事が出来るのは新卒の学生さん達だけではありません。中小企業の経営者も仕事を選ぶ事ができます。ということは、逆に「選別されてしまう」「今まで受託していた仕事が来なくなる」という可能性も出てきます。相手方を札束で引っぱたいて(←表現が古い)、安く使ってやろう、お金を払っているんだから、何でも言うことを聞け、などということを続けていると、取引をしてもらえなくなる時代がやってきています。

誰かの何かに貢献して、その対価としてお金をいただくことができます。一方的にHappyな状態であれば、長続きしないでしょう。「お金を払ってやったから何を言っても何をしてもよい」と考えていると、いつの間にか周囲には誰もいなくなってしまいます。

せと・しごと塾の講座でもテキスト内でもお伝えしていますが、「楽しいところに、仕事は集まる」というのは間違いないと実感しています。もちろん楽しい事ばかりではありませんが、お互い人間同士が取引をしているので、できるだけ楽しい場にできるよう、努めていきたいものです。

せと・しごと塾という場も、「何となく楽しそうだな」という雰囲気を出していけるよう、微力ながらあれこれと考え続けてきました。今回の発表会や懇親会を見る限り、方向としては間違っていないのかなとホッとしています。

起業支援に関わり続けて

「起業をそそのかすなどけしからん」、などと誤解する方もいますが(さすがに12年経過して最近は減ってきているようですが)、何が何でも起業させるという場所ではありません。形式的な開業者数を追いかけているわけではありません(行政の目標を満たすために形式的に開業届を出させる、会社設立させるなどというのは言語道断)。そういった「~すべき」というような価値観の洗脳はむしろ私が嫌いなので、排除しているつもりです。塾生さん一人一人の実現したいことをどのように形にしていくか、特にどのように行動してもらうかを考えています。一緒に考えることは喜んでしますが、お客様の紹介や代行をしてしまうと、塾生さんの成長に繋がらないどころか、むしろ甘やかすことになってしまい、意味がありません。挑戦の機会を奪うようなことはしません。

せと・しごと塾は、行政の事業なので、継続が確定しているものではありません。とはいえ、幸いにして12年携わることができました。「地域の課題をビジネスの手法で解決したい」という方が集まってきますので、貢献意欲の旺盛な方が中心となります。そんな方々が多くいる場所なので、街のことが一層見えるようになってきています。誰がどんなことをしているか、しようとしてくれているか。会社員時代、瀬戸は寝床としての役割くらいしかなく、一人の住民でしかなかった時と比べると、住み心地が全く違います。いろいろな課題解決に向けて動いている塾生さんを見ながら、頭の下がる思いです。そんな感覚を、多くの方が持ってくれたら、より瀬戸が居心地の良い場所になるのではと思います。

既に「来期入塾したい!」という意思表示もいくつかいただいております。卒塾生のみなさまを見て「自分もしごと塾に入りたい(起業したい、チャレンジしたい)」という動きが出てくるのは嬉しい事です。
*実際、入塾の募集をする際に、私が集客を一生懸命することはほとんどありません。かなりの割合で口コミ、紹介で知ったという方が入塾してきます。

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懇親会の記念撮影。私は端っこに。

卒塾後も、引き続き個別相談については、月に数回瀬戸蔵で実施しております。作家さん(ツクリテ)については、ツクリテセンターでも相談日が用意されています。

すぐできることばかりではなく、実現のハードルが大変高い計画もありますが、またみなさまと一緒に作戦会議をして、一歩ずつ実現に近づけていくお手伝いが出来ればと思います。

(長文お読みいただき、ありがとうございました)

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