2012.3.9 「シックスハットで創造性を磨く!」講座

2012/03/10 | カテゴリー: 講演会, 創業プラザあいち | タグ:

昨日創業プラザあいちでシックスハットの講座を実施しました。

18時から20時まで、講座とワークは15名(+スタッフ)のご参加、終了後の懇親会は9名のご参加、みなさまありがとうございました!

●シックスハット講座の概要を記載します。

1.なぜアイデアが出てこないか?

(理由1)個人個人で思考のクセがある
考え方にはクセがあります。批判的に物事を考える人もいれば、楽観的な人もいます。アイデア出しを得意とする人がいれば、まとめる能力に長けた人もいます。チームで仕事を進める際は、それぞれの能力をうまく引き出すことにより、最高の成果を出すことができます。 同じ人でも、どのような状況に置かれているかによって変化します。気分が落ち込んでいるときは、後ろ向きの考え方になることでしょう。そうではなく、絶好調のときは、イケイケドンドンで、手綱を引き締めることが難しいかもしれません。  起業して一人で事業を行う場合でも、訓練することにより発想を豊かにできます。思考の切り替えを上手にできるようになれば、時間も効率的に利用することができるでしょう。

*特に今回のシックスハットの考え方は、劇的に時間の使い方が変化すると思います。

(理由2)情報収集が足りない(質・量、マクロ・ミクロ)
発想を生むための情報収集、勉強、交流が多ければ多いほど、可能性は広がります。一生懸命組み立てた事業計画も、実は他者が既に手がけているかもしれません。インターネット、SNS、書籍、統計、新聞、TV、知人からの情報、様々なルートで情報を収集しておきましょう。情報収集により、昨日は見えなかったものが見えてきます。

(理由3)一人で考える限界
「賢人は他者からも学ぶ」(論語)。全く違う分野からも学びがあります。今自分が持っているものだけ(アウトプットだけ)でアイデアを出そうとしても限界があります。その限界を破るためには、他者の力をうまく引き出す、借りることも必要です。 周囲を巻き込む能力、引き寄せ力も必要です。夢や目標が大きな求心力を生むでしょう。

(理由4)アイデア出しのツールを知らない
アイデア出しのフレームワークを知ることにより、アイデア発想の方法を知ることが独創性を磨くことの近道です。今回は以下の5つを紹介します。
(1)ブレーンストーミング
(2)ブレーンライティング
(3)KJ法
(4)パーパスリスト
(5)オズボーンのチェックリスト

2.アイデアを出すためのツール
(1)ブレーンストーミング
[原則] 質より量/自由な発想/批判禁止/結合・改善
(2)ブレーンライティング
議論せず、アイデアを書き出す。自分がアイデアを出してポストイットに記入。それを貼った紙を時間が来たら横の人に回し、順にアイデアを追記していく。
6・3・5法がよく使われる。
[6] 参加者は6人
[3] 1ラウンドに3つのアイデアを考える
[5] 1ラウンドは5分間で行う
(3)KJ法
ポストイットに書き出し→整理分類→縦展開/横展開
(4)パーパスリスト
まずそもそもの「目的」を明確化。その目的から改めて手段を考える。そうすると、今まで見えなかったアイデアが見えてくることもある。
●例:チラシをうまく作りたい
→そもそも何のためのチラシ作りか?
→講座受講者を増やしたい
→チラシ以外にも方法がないか?
→Facebook/Twitter/DMでも告知する DMの宛先は十分な量か、適切か?
(5)オズボーンのチェックリスト
Put to other uses (他に使い道はないか?)
Adapt (他からアイデアは借りられないか?)
Modify (一部を変更したらどうか?)
Magnify (大きくできないか?)
Minify (小さくできないか?)
Substitute (一部を代用できないか?)
Rearrange (並び方を変えられないか?)
Reverse (逆にできないか?)
Combine (組み合わせができないか?)

3.製品・サービスを開発する「創造力」を磨く「シックスハット」(Edward de Bono氏)
(1)シックスハットとは? シックスハット法とは、
1.テーマを決め、
2.それぞれのテーマについて、次の6つの帽子をかぶった場合のそれぞれ視点からアイデアを発想し、
3.これを繰り返して、発想していく手法です。 物事を考えるときに、一度に一つのことを考えるようにします。
それによって、「論理」と「感情」と区別することができますし、「情報」と「将来性」を区別して考えることもできます。それぞれの帽子を身に着けることで、それぞれの時間は、考えることが一つになるということです。

(2)4つの成果 シックスハットにより、次の4つの成果があがります。
1.結集する力・・・メンバー全員が同じ視点で、同じ方向を向いて力を結集することができます。例えば、ホワイトハットで事実や情報の入手について話をしているときに、それについての懸念(ブラック)や感情論(レッド)が出ないので、話の腰を折ることなく皆の力を結集することができます。
2.時間の短縮・・・一つの意見に対してその都度賛否を問うのではなく、同時並行で意見を出していくので、間違いなく会議の時間は短縮されるでしょう。対立した意見も、そのまま取っておけばよいのです。アメリカの管理職は、業務の40%を会議に費やしているというデータもあります(”Six Thinking Hats” Edward de Bono)。
3.エゴの排除・・・会議の中で特定の人、企業では地位の高い人のエゴが、参加者全員の時間を無駄にするだけでなく、結論を誤った方向に導いてしまうことがあります。相手に自分の力を誇示し、また、敵意を見せるために「議論で打ち負かそう」というエゴが発生します。シックスハットはこれを排除し、中立的で客観的な問題探求を促す効果があります。
4.一度に一つのこと・・・同時に複数のことをするのではなく、危険を見つけることに焦点を合わせる時間があり、情報に焦点を合わせる時間を別々に設けることにより、メンバー全員の集中力を高めることができます(「6つのボールをジャグリングすることは困難」”Six Thinking Hats” Edward de Bono)。

(3)シックスハット「6つの帽子」の説明
1.ホワイトハット(白い帽子)・・・情報 (事実や数値などのハード情報、人の意見や感情などのソフト情報)
・どんな情報があるのか?
・どんな情報が必要か?
・どんな情報が不足しているのか?
・どんな質問をしなければならないか?
・必要な情報を得るには、何をしなければならないか?
(注)ここではアイデア+情報について発言する

2.イエローハット(黄色い帽子)・・・ポジティブな視点  ・プラス思考、楽観主義  ・アイデアの利点、アイデアから得られる利益は何か?
・積極的な探究心
・アイデアの強化
・建設的な提案
(注)ここではアイデア+ポジティブな視点での発言をする

3.ブラックハット(黒い帽子)・・・問題点、リスク
・注意深く、慎重に、批判的になる
・問題点、克服困難な点を指摘する
・規制の範囲内にとどまる ・価値観や道徳に従う
・経験に当てはまらないのはどういった点か?
(注)ブラック以外の帽子の時間は、批判的な態度は慎むこと
出たアイデアの問題を考える

4.グリーンハット(緑の帽子)・・・革新的な視点、ムーブメント
・新しいアイデア、新しい代替案・選択肢
・変化を求める
・問題点への新しいアプローチ
・どのようにしてリスクを乗り越えられるか
・刺激的、極端な操作(Provocative Operation)
(注)ここではアイデア+革新的な視点での発言をする

5.レッドハット(赤い帽子)・・・感情
・中立かつ客観的な情報(白)とは正反対
・直観、予感、印象
・正当化の必要なし、理由も説明不要、論理的でなくてもよい
・個々人があるがままの感情を表現する
・最後の決定はこれによるものが多い(情緒)
(注)ここではアイデアの変更はしない   出たアイデアをどう思うか?(主観)

6.ブルーハット(青い帽子)・・・まとめ的な視点
・目的の再確認
・他の帽子をコントロール
・マップメイキング(まず地図を描き、ルートは後で)
・まとめるための正しい質問をする
・問題点を明確にする
・要約と結論、結果の報告
(注)出たアイデアのまとめを行う

 

●ワークの時間

解説を行った後は、いよいよワークの時間です。

1チーム5名で、3チームに分かれていただきました。お題は、次の通りとしました。
「みなさまは、この交流スペースを1年間無料で自由に利用できる権利を手に入れました。最も価値を生むプランをグループごとに考えてください。」

白から赤まで、最初の5つのプロセスは5分、最後の青は10分時間を取りました。それぞれの間は30秒です。ですから、ワークをまとめ用紙に記入するための時間10分程度を除き、話し合いの時間はわずか37分30秒でした。

ワークの際に、注意すべきこととして、以下のことをお話ししました。

1.積極的に考え、意見を言ってください。
2.全員ペンを持ち、ホワイトボードに記入。
3.黙々と書かず、他の人に伝えながら書く。
4.他者の意見を聞きながら考える。
5.ホワイトボード全体を定期的に眺める。
6.ワーク中は、座らない。

これを意識するだけで、参加者全員のワークに臨む態度は大きく変わるでしょう。でも講座当日にいきなりそんなことを言っても戸惑ってしまうことから、今回は募集チラシに「ワークに積極的にご参加いただける方」というのを条件としていました。ワークであまり発言しない方、自分の主張を通したいだけでチームワークを乱す方などがいると他の参加者の満足度を落とすため、少しフィルタを入れておきました。

それでは、ワークの様子を写真でお届けします。


(黒い帽子の時間。会議と言えば全般的に批判や問題点の指摘が出やすいのですが、この黒い帽子の時間にそれをまとめることで、創造的な時間を過ごすことができます。)


(緑の帽子の時間:スライドとタイマー)


(ワーク終了時のチームAのボード)


(ワーク終了時のチームBのボード)


(ワーク終了時のチームCのボード)

各チーム、ボードの内容をもとに、1枚のシートにプランをまとめていただきました。かなりハッキリ方向性が出たチームもあれば、アイデアが乱立して時間内にまとまらなかったチームもありました。でも、どのチームも短時間でボードが一杯になっていることから分かるとおり、実に生産性の高い時間を過ごしていただいたことが分かります。これが、このシックスハットの効果だと思います。
(もちろん、今回は本家のシックスハットをかなりアレンジしており、講座で紹介した思考フレームワークなども組み込まれています。シックスハットだけで会議をしようとしてもそれほど成果は上がらないと思います。)


(チームでまとまった意見を発表する様子)

 

●シックスハットはなぜ疲れるか?

シックスハットのワークを行った後は、かなり疲れが出ます。ある講座で過去に実施したところ、本当は2回行うつもりでしたが、1回目を終えたところで、「とてももう1回というのはできない。クタクタです。」という声が多く上がりました。なぜ疲労困憊するのでしょうか?

それは、次の理由から明確です。

1.頭を使いアイデアを考え、

2.手を使いアイデアを書いてメンバーに見せて、

3.口を使いそれを伝え、

4.耳を使いメンバーのアイデアを聴き、

5.目を使い全体を常に俯瞰する。

6.さらに足を使うことで、劇的に会議が変わっていく。
(座っていてはチームに貢献できない)

今回は1チーム5人でした。1人が書記で、他の4人が声に出したことをボードにまとめていては、時間の無駄です(そういう場面、よく遭遇しませんか?)。書記も「え、もう一度言ってください」などと聞き返すことがあるし、時間だけでなくストレスが溜まります。みなが座っていると、そのような非生産的な状況が生まれやすいと言えます。そこで、参加者全員にペンを持ってもらい、しかもただ書くだけでなく、書くときは声に出して他の人に聞こえるように書くよう指示しました。別の人が同時に書いているときでも、何となく声が聞こえてくるというわけです。

このワークは頭、手、口、耳、目、足をフル活用することになるので、必然的にぐったりするのです(ですから終了後の懇親会でビールが美味しかったことでしょう!)

本当は、3回目くらいになると個々人が成果を実感し、思考方法が身についてくるのです。今回は初回の参加者も多かったため、コツを掴むまで少し時間がかかったかと思います(と言ってもワークの時間が40分もないのですが)。

 

今回は講座を当日実施するだけでなく、「絶対に集客しなければ自分の信用を失う」と、自分を追いつめていたことから、講座の企画からチラシ作成、どこに情報を届けるかなど、相当なプレッシャーがかかっていました。何とか面目を保つことができたので、ホッとしています。

昨日は私も充実した時間を過ごすことができました。
ご参加いただいたみなさま、おつかれさまでした!


(講座終了後の集合写真) 


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