本日、初めてAI×持続化補助金の研修を実施できました。
春日井商工会議所で、経営指導員さん向けです。
持続化補助金に関する相談対応の省力化により経営指導員さんの「時間を作る」ことが本研修の大きな目的です。

内容は、以下の通りです。その一部を紹介したいと思います。
1.持続化補助金対応について
2.事業計画書作成 超効率化ツールの説明
3.経営計画(様式2 前半部分)
4.補助事業計画(様式2 後半部分)
5.採点の例/文字読み取り/AI活用の注意点
1.持続化補助金対応について
私は公的機関で持続化補助金の申請相談に乗っております。(自社ではお受けしません)
経営計画書と補助金の使い道である補助事業計画書のブラッシュアップが圧倒的に中心となりますが、電子申請の方法や他の補助金との使い分け、融資相談など、付随していろいろな相談を受けることになることが多いです。
せっかく事業計画を練ることになるので、単に補助金申請の書面をテクニック的に作成し、採択されたらそれでおしまい、ではもったいないですね。自社と真剣に向き合うことにより、会社を発展に導いてほしいと考えています。
そのようなスタンスで相談をお受けしていますが、下図のような良いこともいろいろあります。

実際、持続化補助金がきっかけで初回の相談をして、その後何年も経営相談に不定期でいらっしゃる方も多く、私自身も前向きに相談に対応しています。
2.事業計画書作成 超効率化ツールの説明
全部で資料を8種類用意しました。この中の、資料1の「ひな型」と資料2の「持続化補助金記載事項」・「プロンプト見本」が中心となります。

ひな型はAIの採点を繰り返し、今回の審査基準を満たすようにブラッシュアップしてきました(今年のGWの間、どこにも出かけず、ほぼすべての時間をつぎ込みました)。これだけでもかなり経営計画書の作成のイメージが沸くはずです。特に、「弱み」や「新たな価値」など初めて審査基準に登場した要素も考慮しないといけないので、今まで使用してきたひな型を全面的に見直しました。

画像は1ページ目です。せっかくなので、AIでイラストも作って貼っておきました。
そして次は、資料2の一部です。

それぞれの項目をどのように記入するかを簡単に解説しています。これをひな型を見比べていくと、何となくこういうことを書けばよいのかな、と想像できるはずです。
この後に、各項目が記入できず困った時のプロンプトを用意しています。
今回、「補助事業計画には、技術やノウハウ、アイディアに基づき、ターゲットとする顧客や市場にとって、新たな価値を生み出す商品、サービス、又はそれらの提供方法を有する取組等が見られるか。」という、小規模事業主を悩ませる審査基準が新設されました。
「自分から見て」新たな価値ではなく、「顧客や市場にとって」新たな価値というのは、小規模事業者がそう簡単に実現できるものではないと考えますが、果たしてどのような審査となるのでしょうね。審査基準として置かれている以上、何か考えなくてはいけません。でも今のところ、相談者の全員が全く想像つかない、とおっしゃっています。こういうものこそAIの力を借りたいところです。そこで、以下のようなプロンプトをよく使用しています。
「補助事業計画には、技術やノウハウ、アイディアに基づき、ターゲットとする顧客や市場にとって、新たな価値を生み出す商品、サービス、又はそれらの提供方法を有する取組等が見られるか。」という新たな審査基準が設けられました。競合他社にはない新たな価値を記述してください。
結構良い感じの提案をしてくれることが多いので、困っている方は試してみてください。少なくともヒントにはなると思います。
3.経営計画(様式2 前半部分)
4.補助事業計画(様式2 後半部分)
5.採点の例/文字読み取り/AI活用の注意点
あとはひたすら記入が求められている各項目の説明・プロンプトの打ち方などを解説して(3.経営計画、4.補助事業計画)、実際に採点をしてみた例も紹介しました(5.採点の例)。私が昨年度まで使用していたひな型を採点したところ、満点にはなりませんでした。「弱み」の記述がないことと、「新たな価値」が読み取れないことが主な要因です。
経営計画書を紙で提示される経営指導員さんも多いと思います。私もAIで採点してもらいましょうか?などと聞いて、ChatGPTやGrokに添付したいと思うことがあります。その際に、文字読み取りをすることにより、AIにきちんと採点させることができます。一度Googleレンズなどで読み取ってからChatGPTなどに文章を添付することも有効です。この辺りはAIの進化と共に将来便利になっていくことと思いますが、現在は不具合も見られ、Googleレンズなどひと手間かけることもよくあります。
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今回は1時間という限られた時間でしたので、ゆったり話すことができませんでしたが、今年度の審査基準を踏まえたひな型や各記入項目の書き方(参考画像)+困ったときのプロンプトは、手元にあるだけでも役立つと思います。私も実際に公的機関で相談を受けたときに使用しており、かなり相談に要する時間を削減できています。実感として、同じ相談時間で、1年前の4~5倍の情報を提供できています。
来月は岐阜県のいくつかの商工会さん向けに研修を実施します。
今日の研修の改善点を活かしながら、よりよい内容に仕上げていきたいと思います。テクニックで補助金を獲得するだけでなく、現在の経営課題や将来の方向性を真剣に考えて、会社が継続的に発展していくことを切に願います。

