中小企業支援のためのMieNaを活用した商圏分析研修(岐阜県商工会連合会)

MieNa AI活用

◆今回は商圏分析講座

昨日は岐阜県商工会連合会様でMieNaを活用した商圏分析研修の講師を務めました。現地入りして、各地の商工会さん向けにZoomで講座を実施しました。

MieNa講座

スライド表紙です。MieNaを活用した商圏分析研修に関しては全国各地で実施しております。昨年は日本商工会議所様の研修も担当しましたので、様々な地域の商工会議所担当者も聴いてくださったかもしれません。

◆普段の私の経営相談の内容

普段の仕事

普段のお仕事紹介です。商圏分析も相談ジャンルの一つですが、様々な相談が飛び交っており、幅広い相談を受けられるというのが私の売りでもあります。AIに関しては、大半の相談で使用する状況になっています(特に創業相談や補助金相談ではよく使いますね)。

◆商圏分析ソフトMieNaをどのように活用するか

MieNa

MieNaの活用場面です。何といっても立地の検討の際にはたいへん貴重な資料となります。また、移転を検討している際も、非常に有益です。どうしても移転候補の立地が魅力的に見えてしまい、ほぼ移転ありきで相談にいらっしゃる事もよくあります。そんなときに、複数地点の客観的なデータをみながら、本当に移転して良いのかどうか、その判断基準を増やしてあげることができます。

他にも、中長期計画の立案、融資の申請、補助金申請などで活躍します。

◆都心部に居酒屋をオープンする場合

MieNa

比較的都会の立地で居酒屋を検討する事例を掲載しています。この地域のデータを見ると、世帯人員1人が圧倒的に多いですね。このとき、独居高齢者という可能性もありますが、それは「65歳以上単独世帯数」をご覧いただくと、1,587と非常に少ないことが分かります。若い方の1人暮らしの割合が高いということですね。これを含め、当該地域の周辺500m、1kmなどの商圏情報をレポートとして出力できるのですが、20ページ程度、簡単に出力できるのがMieNaの良いところです。経営相談も1時間の枠で対応することが多く、短時間で資料の準備ができないと、現実的に役に立ちません。

MieNa

近隣の職場の情報も出てきます。どんな業種の会社で従業員が働いているのか、数値で分かります。ここでは、大規模な事業所が集積しているというデータでした。居酒屋の営業でしたら、新聞折込ではなく、直接会社に出向いてチラシを手渡しする、街頭でチラシ配布など有効かもしれませんね。

MieNaからターゲット設定

というわけで、商圏情報をもとに、ターゲット設定を行いました。実際の店舗設計をどうするかも考えます。座敷かテーブル、カウンター、店内をどのような設計にしますか?

居抜きの場合そのままのレイアウトで進める可能性もありますが、昨今数か月かけてリニューアル工事を行う飲食店も多く見られます。

ChatGPT 内装検討

今回は、検討していく中で「回転率を良くする」という狙いがあったので、A案ではなくB案でいきたいですね。他にも、どんなメニューを提供するか、目玉商品を何にするかなどを検討しました。

◆AIと商圏情報を組み合わせてみる

ChatGPT メニュー考案

さらに、メニューをAIに提案してもらいます(今回はChatGPT、深津式のプロンプト)。ターゲットを想定して、提供する価格や原価率も考慮したうえで提案してもらいました。

 

ChatGPT おすすめメニュー

経営相談を受けるという仕事をしていますが、飲食となると、つい自分の好みでアドバイスしがちです。例えばトップに出てきた「トマトとモッツァレラのカプレーゼサラダ」、私の好みではないので積極的に勧められないでしょう。でもAIの出した結果として相談者にお見せして、その上でまた検討していけば良いと思います。こういったメニュー提案、実際には、創業だけでなく、異常気象や季節の変わり目などで売上が大きく落ちた際によく使用しています。

◆これはすごい!地域のデータを読ませてAI分析!

ChatGPT×MieNa

さらに、このMieNaの商圏情報のファイル(添付のシートの場合、11ページまであります)を添付して、地域に合ったメニューの提供もAIにお願いすることができます。このとき、商圏情報内の根拠も示して、とお願いします。すると、以下のような回答を返してくれます。

 

ChatGPT×MieNa  

右列を見ると、きちんと商圏情報の数値が採用されていることが分かります。経営上の意思決定を勘ではなく、ある程度根拠もある中で行うことはとても良いですねこの中で気に入ったメニューがもしあれば、ブラッシュアップして商品化することになります。

MieNaの商圏情報を取得できない方も多いと思います。例えば観光業であれば、地域の観光協会がネット上に公表しているレポートなども添付(あるいはURL情報を提供)することにより、このデータを踏まえて回答してくれます。初めて実行してみると感動するかもしれませんよ。

 

◆今回の新コンテンツ

事例については上記の他もたくさんあって、今回は8件+αを紹介しました。

最後に、もう一つAIを活用した新しい手法を紹介して講座を終えました。

 

◆DeepResearchとの連携で、ビジネス評価

 

ChatGPT×MieNa

つい最近、DeepResearch等で、かなり詳しく分析をしてくれるようになりました(ChatGPTは有料版を使っているのですが、DeepResearchを使いすぎて1か月のクーリング期間と言われてしまいました→本日あと15回、と復活が確認出来ました)。これを活用して、物件の所在地の商圏情報を添付して、そもそもここで開店することがどうなのか、という意見をAIに聞いてみるという手法です。早速上記のようにプロンプトを打ってみました。すると・・・

ChatGPT 追加情報

追加情報が欲しいと求められました。普段私が相談を受けたときに聞くような内容を、AIはさっと示してくれます。まだ決めていないことは正直に回答して、次に進みます。

ChatGPT4.5

今回は10分間考えて、解答してくれました。その一部を紹介します。

ChatGPT ランチ需要

冒頭の従業者数や昼間人口など、商圏情報を踏まえて回答してくれていますね。添付した商圏情報に加えて、AIが見つけて来た近隣の情報が散りばめられている印象です。

ビジネスモデル 試算

収益モデルまで考えてくれました。ここまで考慮してくれるのは予想外で、きちんと生活を作るためにどれくらい稼ぎが必要かを親身に考えてくれたということでしょう。

リスク・課題

リスク、課題を出してくれるのはとても有難いですね。その一つ一つを検討し、問題解決に至るようであれば開業が現実的なものになるでしょう。そして、賛成、反対それぞれの観点から事業評価をしてくれました。

 

 賛成意見       

ざっくり言えば、頑張ればうまくいく、ということでしょうか。開業することを決めたら、後はお客様をしっかり呼び込むことです。多様なマーケティングを駆使して、スタートダッシュをかけるべく準備をしていきます。もちろん飲食店であれば、肝心のメニューで満足していただくことが大事です。

反対意見

一方で、反対の立場から評価もしてくれました。ここではスライド1枚しか挙げていませんが、実際にはもっと意見が記されていました。どちらかと言うと反対意見の方が強い感じの回答でした。

経営相談の仕事もAIに代わっていくんだろうな~と実感することが多いです。たまたま私はMieNaの商圏情報を公的機関等で相談者に提供できて、それをAIと組み合わせるというノウハウも積み上がりつつありますので、みなさまの経営がより良いものになるよう、力を尽くしていきたいと思います。

以上、商圏分析研修の様子を少しだけお届けしました。今回のように、基本は経営指導員さん向けに研修を行っています。事業者向けの講座は創業塾を除き、実施していません。機会があれば、個別相談や創業塾でお会いしましょう。

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