2006/06/07

No.010 【25-6 正確に、明快に!】契約書のドラフティング25の考え方

●ドラフティングの基本(6/25 正確に、明快に!)

Usually our goal is both precision and clarity.

我々(契約起草者)の目標(goal)は、「正確さ」と「明快さ」である。

George W. Kuney
"The Elements of Contract Drafting" P.48





●正確さ
正確であることは、意外と難しいのです。
例えば、言葉を遣うときに、「及び」と「および」などという漢字・ひらがなの表記ゆれがあれば、見る方は「ちゃんと作っているのか?」と感じてしまいますね。契約書を最初に「本契約」と定義してあるのに、後半部分で「この契約」となってしまうことも、しばしば見られます。

契約書上で使用する用語をきちんと自分の中で定義して、必要があれば定義条項に記載して明確化します。これが契約書というアウトプットの正確さを生み出します。


●明快さ
明快さも重要です。
これについて、実務上、よく感じることがあります。

契約書はセレモニーとなっていることが多くあります。トップ同士が話をして、合意した内容を契約書に反映されていれば、良い契約書ができます。

ところが、契約書を見ると、実に一方的な契約を相手方が要求しているなどということも数多くあります。また、後日トラブルとなる原因の一つに「言葉の意味がわからない」ということもあります。契約時には理解できず、いざトラブルが発生したときに専門家に相談したら、極めて自分に不利な条項が多かったというケースですね。

やはり言葉は明快に、そして内容もすっきり。不要な条項は置かない契約書が美しいと思います。プログラマーの世界でも同じです。


原文はたった一行ですが、意味は非常に重たいフレーズです。


*25個のうち6番目。あと19個。

契約書WEB

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