2025年度からタイトルの研修をスタートしました。この研修は経営指導員さん向けです。持続化補助金に関する相談対応(初動の説明、経営計画書の質問対応、ブラッシュアップ対応)の省力化により経営指導員さんの「時間を作る」ことが本研修の大きな目的です。
小規模事業者持続化補助金の季節が近づくと憂鬱になる方もいらっしゃるということで、今までは旧バージョンのひな型のみお渡ししていました。それでもかなり省力化にはなるのですが、2025年度、新たなツールを考えました。ひな型×プロンプトの組み合わせです。経営指導員さん自身もこれを活用して指導に活かせますが、相談者に渡していただくことにより、持続化補助金が初めてという相談者も、ある程度自分で経営計画書を仕上げることが可能となります。

内容は、以下の通りです。その一部を紹介したいと思います。
1.持続化補助金対応について
2.事業計画書作成 超効率化ツールの説明
3.経営計画(様式2 前半部分)
4.補助事業計画(様式2 後半部分)
5.採点の例/文字読み取り/AI活用の注意点
1.持続化補助金対応について
私は公的機関で持続化補助金の申請相談に乗っております。(自社で代行はしません)
経営計画書と補助金の使い道である補助事業計画書のブラッシュアップが圧倒的に中心となりますが、電子申請の方法や他の補助金との使い分け、融資相談など、付随していろいろな相談を受けることになることが多いです。せっかく事業計画を練ることになるので、単に補助金申請の書面をテクニック的に作成し、採択されたらそれでおしまい、ではもったいないですね。自社と真剣に向き合うことにより、会社を発展に導いてほしいと考えています。そのようなスタンスで相談をお受けしていますが、下図のような良いこともいろいろあります。

実際、持続化補助金がきっかけで初回の相談をして、その後何年も経営相談に不定期でいらっしゃる方も多く、私自身も前向きに相談に対応しています。
2.事業計画書作成 超効率化ツールの説明
従来は資料を8種類用意していました。使用している中で、資料1の「ひな型」と資料2の「プロンプト見本」に絞り込むのが良いと考え、今は2種類の資料を相談者に渡し、経営計画書を立案してもらっています。
◆資料1 小規模事業者持続化補助金ひな型

ひな型はAIの採点を繰り返し、今回の審査基準を満たすようにブラッシュアップしてきました(今年のGWの間、どこにも出かけず、ほぼすべての時間をつぎ込みました)。これだけでもかなり経営計画書の作成のイメージが沸くはずです。特に、「弱み」や「新たな価値」など初めて審査基準に登場した要素も考慮しないといけないので、今まで使用してきたひな型を全面的に見直しました。
画像は表紙の注意書きと1ページ目です。
せっかくなので、AIでイラストも作って貼っておきました。
◆資料2 プロンプト集
そして次は、資料2の一部です。

それぞれの項目が記入できず困った時のプロンプトを用意しています。
今回、「補助事業計画には、技術やノウハウ、アイディアに基づき、ターゲットとする顧客や市場にとって、新たな価値を生み出す商品、サービス、又はそれらの提供方法を有する取組等が見られるか。」という、小規模事業主を悩ませる審査基準が新設されました。
「自分から見て」新たな価値ではなく、「顧客や市場にとって」新たな価値というのは、小規模事業者がそう簡単に実現できるものではないと考えますが、果たしてどのような審査となるのでしょうね。審査基準として置かれている以上、何か考えなくてはいけません。でも今のところ、相談者の全員(7月27日現在、100%)が全く想像つかない、とおっしゃっています。こういうものこそAIの力を借りたいところです。そこで、以下のようなプロンプトをよく使用しています。
「補助事業計画には、技術やノウハウ、アイディアに基づき、ターゲットとする顧客や市場にとって、新たな価値を生み出す商品、サービス、又はそれらの提供方法を有する取組等が見られるか。」という新たな審査基準を満たすよう、補助事業計画書内から具体的に商品、サービス、又はそれらの提供方法を示して、その説明文を分かりやすく記述してください。
結構良い感じの提案をしてくれることが多いので、困っている方は試してみてください。少なくともヒントにはなると思います。
3.経営計画(様式2 前半部分)
4.補助事業計画(様式2 後半部分)
5.採点の例/文字読み取り/AI活用の注意点
次に、記入が求められている各項目の説明・プロンプトの打ち方などを解説して(3.経営計画、4.補助事業計画)、実際に採点をしてみた例も紹介します(5.採点の例)。私が昨年度まで使用していたひな型を採点したところ、満点にはなりませんでした。「弱み」の記述がないことと、「新たな価値」が読み取れないことが主な要因です。
経営計画書を紙で提示される経営指導員さんも多いと思います。私も相談時に「AIで採点してもらいましょうか?」などと聞いて、GeminiやChatGPTに添付したいと思うことがあります。できればWordなどのデータだと素早く対応できるのですが、紙しかない場合は仕方ありません。スマホ等で文字読み取りをすることにより、AIにきちんと採点させることができます。一度Googleレンズなどで読み取ってからAIに文章を添付することもあります。この辺りはAIの進化と共に将来便利になっていくことと思いますが、現在は不具合も見られ、Googleレンズなどひと手間かけることもよくあります。
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今年度の審査基準を踏まえた資料1のひな型や資料2の困ったときのプロンプトは、手元にあるだけでも役立つと思います。私も実際に公的機関で相談を受けたときに使用しており、相談に要する時間を大幅に削減できています。実感として、同じ相談時間で、1年前の4~5倍の情報を提供できています(大げさではありません)。
今後も、研修や個別相談時の改善点を活かしながら、よりよい内容に仕上げていきたいと思います。テクニックで補助金を獲得するだけでなく、現在の経営課題や将来の方向性を真剣に考えて、会社が継続的に発展していくことを切に願います。個人的には中小事業者の自立を促すような仕事をしていきたいと常日頃考えておりますので、このツールを通じて、事業者、特に一人で事業を営んでいる方が「自分でAIも活用しながらどんどん考える」状態になるのが理想です。
ともすれば経営指導員さんや専門家の方が代わりに書いてしまっていることもあるかもしれません。小規模事業者持続化補助金で求められる各項目は、事業者自身で考えていくと結構有益ですよ、というメッセージも伝えられればと思います。
(追記1)NotebookLMに「資料2」のプロンプトに関する音声概要をまとめてもらいました
◆AI Prompts for Sustaining Business Subsidies(音声です)
(追記2)7月現在、研修のご依頼をいただくのですが、ご指定の日程と合わないことが増えてきました。研修希望の際は、お早めにご連絡いただくと、ご期待に沿える日程で実施できると思います。