2006/06/23

No.012 契約書レビューをする際の10のチェックポイント

●契約書レビューをする際の10のチェックポイント

Reviewing Documents- A Ten Point Checklist.

1. Parties, Dates, Dollar Amounts, and Interest Rates.

2. Appropriate Structure.

3. Clear, Mandatory Duties, and Optional Rights.

4. Representations and Warranties.

5. Internal and External Consistency.

6. Substantive Understanding.

7. Hypothesize Performance.

8. Hypothesize Non-Performance and Default.

9. Address Bankruptcy Risk.

10. Consider the Worst Case Scenario.


10のチェックポイント
1. 当事者、日付、金額、金利
 正しく当事者を指し示しているか?
 日付は正しいか?
 金額と利息は正しく完全か?
 
2. 適切な構成
 クライアントのニーズに応えたものになっているか?
 問題発生時の取扱を理解しているか?

3. 明確な「必須の」義務と「選択可能な」権利
 クライアントの相手方が遵守すべき義務が明確に記載されているか?
 その言葉が"shall"もしくは"must"とされているか?(→参照
 全ての権利や選択権は"may"で表現されているか?
 これらの条項が明確に「誰が」「何を」し、「誰に」「いつ」行うのかを延べているか?

4. 表明と保証
 契約書に、クライアントが頼りにできる全ての事実・表記・担保等について、クライアントを受益者とする表明や保証が含まれているか?

5. 契約書内部と契約書外部の調和
 文書が望まれる構造とフィットしているか?
 当該取引に含まれる他の文書と整合性が取れているか?
 定義条項やボイラープレート部分が全ての文書を通じて矛盾せず、混乱や曖昧さを防ぐことができるか?

6. 実質的な理解
 あなたが文書の各条項を理解しているか?
 全ての条項を完全に理解し、そして他の条項や文書との関連も理解しなければならない。

7. 実行することの仮定
 様々な事実パターンを想定し、取引と文書の「ライフサイクル」を「通しで」考えてみる。

8. 実行しない、債務不履行の仮定
 片方もしくは双方の不履行を仮定。
 トラブルが起こる前に未然にそのリスクを軽減しておくこと。

9. 破綻の危険を記述
 仮に片方が破産の申立てをした場合どうするか?
 財産や権利は、法律上のものか?
 破綻した時に備えて担保や第三者保証が必要かどうかを検討する。

10. 最悪のシナリオを考慮すること
 文書が発効し、契約当事者が険悪な関係になってきたときを想定し、あらゆる可能性を想定することが大事。


George W. Kuney
"The Elements of Contract Drafting" P.56-58


*注:1~10までの本文英文は長いので省略しました。



●レビューするとき
他者の契約書ドラフトをチェックするとき、または自分自身で作った契約書をチェックする時は、10個の項目を活用し、問いかけてみるといいでしょう。

どれも重要です。

「6.実質的な理解」については、よくトラブルを引き起こしています。契約書を作っている側が説明できていないし、理解していないのです。理解できなければ、相手に説明できるはずがありません。

「10.最悪のシナリオ」は、最初に考えましょう。
そうせずに失敗しているのが銀行の大型合併の例です。



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