あま市「AMA創業塾」

AMA創業塾カリキュラム202405

ごあいさつと自己紹介

私は2003年の創業以来、創業支援の仕事に携わっております。2004年からは愛知県の創業プラザあいちで8年間、新事業コーディネーターを務めました。並行して、瀬戸市のせと・しごと塾で塾長を務め、2024年5月現在、16期生の募集がかかっています。また、各地の商工会議所での経営相談を担当しています。これまでに創業・経営相談を3万件以上受けてきております。どんな起業家がどんな行動をして、どのような結果を生んでいるかを数多く見てきました。起業を志す方のBeforeをたくさん見ていますので、その後事業を軌道に乗せて生活が成立する喜びを一緒に共有させていただいています。

ご縁がありまして、2024年度から、あま市の創業支援の取組に関わらせていただくことになりました。せと・しごと塾にご興味を持ってくださった担当の方が何度も瀬戸市に足を運んでいただき、時間をかけて今回の「AMA創業塾」の企画を練り上げていただきました。せと・しごと塾がモデルとなっています。せと・しごと塾に関しては、過去の年間総括をまとめてありますので、ご覧ください。私が文章を書いています。

せと・しごと塾総括(第2期~第15期)

いくつかせと・しごと塾の雰囲気が分かる写真を掲載します。

チームでグループワークを行います。同期生の懇親も深まります。また、子連れでも歓迎の雰囲気が第1期からあり、今に続いています。塾生の女性比率は約70%です。

最後の懇親会ですが、こんな雰囲気をあま市でも作ることができれば、と思います。

AMA創業塾カリキュラム

それでは、AMA創業塾のカリキュラムを紹介します。7/3にスタートして、9/25に終了。すべて水曜日の開催となります。

AMA創業塾第1期生募集!(創業塾の詳細はこちらをご覧ください)

種明かしになってしまい面白くないかもしれませんが、いくつかピックアップして講座内容を紹介したいと思います。

名刺交換のコツ

各所で単発の講座としても担当しているテーマです。気軽に聴ける内容です。スライドの一部を紹介します。

私は2003年の開業以来、30回以上の名刺をリニューアルしています。特に、2023年4月に名刺を変えてから、更に2回リニューアルしています。その時のベストの記述内容にして、やりたい仕事を呼び込むことを心がけています。

先ほどの青い名刺の色違いのバージョンを使用していたときに、某所で出張相談していた時の出来事です。相談が一杯で休憩時間があまり取れない中、2,3分だけ休みが確保できました。その時にたまたま商工会議所の方と会い、名刺交換をしました。初めてお会いした方です。名刺に「創業塾」の実績がある事が書いてあり、そこに反応していただきました。「うちも創業塾をやるので講師お願いしますね~」と、リップサービスをいただき有難かったのですが、数か月後、本当にオファーがありました(びっくりですね)。創業塾は毎年1回のペースで開催され、2024年で第8回を迎えました。創業塾の他にも、個別の経営相談(伴走型支援)を担当しており、深く関わらせていただくことになりました。

これが、たった2分の名刺交換からスタートした出来事です。1枚の名刺のパワー、凄いですね!

起業家スキルアップ講座

事業アイデアを考えようとしても、限界が来てしまい、あまり思いつかない。そんな声をよく聞きます。アイデアが出てこないのは、様々な理由があります。

私の場合、「思考のクセ」は、「最も悪いシナリオを考える方向にすぐ行ってしまう」ことです。セブンハットのワークでは「ブラックハット」なのですが、リスクや問題点などにすぐ目が行ってしまうのですね。会社内の会議でこのような発言ばかりしていたら嫌われてしまう筆頭ですね。そこでセブンハットの出番です。

最初6つが5分間、最後のブルーハット(まとめ)が10分間、合計40分(+インターバルの時間)でアイデア出しのワークが終了します。7つの視点で物事を考えることによって、ネガティブな視点を5分間に閉じ込めることができます。4~6人で会議をしますが、例えばイエローハットでポジティブな意見をどんどん出している中、「いや、それはこういう問題が...」と足を引っ張る発言がNGとなります。みなが同じ方向を見ながら議論することによって、時間を効率的に使うことができます。また、個人個人では、思考方法をコントロールしてみる訓練になります。私のように、すぐにネガティブ思考になってしまう対応の人は、良い訓練になります(もちろん、ブラックハットの時間も非常に重要な要素になっています)。

AMA創業塾の「起業家スキルアップ講座」では、このグループワークが中心になります。実際に開催された結果をまとめたものがあるので、参考までにご覧ください。

セブンハットでアイデア出し(せと・しごと塾)

ChatGPTを活用した事業計画書の作成

私が担当する講座の中では、個人的に今回の目玉にしています。2023年から本格的にChatGPTを仕事で使い始め、現在ではChatGPT4.0を使用しています。日頃中小企業の経営相談という仕事をしていますが、日に日に利用場面が増えてきました。年間数十回の講座も担当していますので、そのテーマの中にAI活用を組み込んでいくのが2023年でした。

今回予定している講座の内容は、下記の通りです。盛りだくさんですが、何とか持ち時間の3時間で説明できるかと思います。

事業計画書(1/8)タイトル、プランの要約、ミッション、経営理念、商品・サービスの内容
事業計画書(2/8) 強み、ターゲット顧客、業界動向、商圏分析
事業計画書(3/8) 競合調査
事業計画書(4/8) マーケティング計画、雇用計画
事業計画書(5/8) 所要資金、調達方法
事業計画書(6/8) 収支計画
事業計画書(7/8) 売上高の根拠
事業計画書(8/8) 事業化スケジュール
補足1 メニュー、店舗、ターゲット
1-1 メニュー開発、商品のイメージ化
1-2 店舗デザイン
1-3 ターゲット顧客イメージ化
補足2 マーケティング
2-1 チラシデザイン
2-2 ロゴ制作
2-3 看板
2-4 ショッピングバッグ
2-5 プレスリリース
2-6 ポップアップストア
2-7 Instagram活用
2-8 Googleビジネスプロフィール活用
2-9 クラウドファンディング

このうち、いくつかを紹介します。

メニュー開発

例えば、商圏分析をして、メインターゲットの顧客を想定します。飲食店を営む際に、メニュー開発をしますが、そのメニューを考案してもらうときにChatGPTを活用します。

#命令書: あなたは[飲食店の経営コンサルタント]です。 以下の制約条件をもとに[特に自信を持って勧めるイタリアン創作居酒屋のメニュー]を10品、表にしてください。
#制約条件:
・20代女性で美容に敏感な人がメインターゲット
・男性が好みそうなメニューを避ける
・調理にあまり時間がかからないこと
・メニュー単価は500円以下
・原価率は30%以下
#出力条件:
・[番号][メニュー][単価][原価率][お勧めポイント]という5つの項目を、表にまとめてください。

すると、ChatGPTは次のような表を作ってくれました。

私が仕事で相談を受けてメニューを一緒に考えることもあるのですが、「自分の嫌いな食べ物は提案しない」傾向があります。例えば先ほどのメニュー提案でトップに登場した「トマトとモッツァレラのカプレーゼサラダ」は、私が生のトマトを嫌うので、相談者に積極的に提案しないのです。

こういった個人的な嗜好を排除して回答してくれるのはありがたいです。相談者にも多くの選択肢の中から最善の選択をしてほしいので、そういう意味で、思考の領域を広げてくれる、素敵なツールだと考えています。しかも、「30個提案して」とお願いすれば、30個出してくれます。相談者が人間相手に「50個提案してください」と言ったら、答える側はどんな反応でしょうか。図々しい申し出で、その場が凍り付くかもしれませんね。こんな無茶なことを頼めるのもAIの大きなメリットです。

*今回のAMA創業塾では、別のメニューを題材にする予定です。

店舗デザイン

店舗で事業を行う方は、店舗デザインという大きな課題に直面します。本職が建築士さんなど、デザインを得意とする方なら良いのですが、そういう方は僅かです。AI活用により、ある程度イメージに近い店舗をデザインしてもらい、これをデザイナーに見せながら店舗設計をお願いすることが可能となります。例えば、こんな店舗のデザインをお願いしてみました。

メインターゲットは、都会で働く30代女性。栄養価が高く、忙しい日々の中でも簡単に取り入れられる持続可能な食品を求めている人たちです。他には外国人でビーガン食を好む人たちも来訪します。店舗は厨房を除いて40㎡くらいです。テイクアウトのお客様もいらっしゃるので、スムーズに受け渡しが出来るようにしたいです。どのような店舗デザインにすると、お客様がたくさん来訪するでしょうか。先ほどのアドバイスを反映させて、デザインしてください。

抹茶カラーを前面に出したイメージで、店舗の外側からの見た目もお願いします。看板も店内も見えるアングルで描いてください。

すると、このようなデザインをしてくれました。

良いデザインです!

私はまったく絵心がないので、このイラストの機能はたいへん有難いです。頭の中のイメージを形にすることができます。さらに、アレンジしてみました。

日本の商店街の中にある店舗のイメージで、同じように描いてください。

店舗デザイン
和風の店舗になりました。

このように、先ほどのデザインとは大きく変わりました。社内で新店舗のデザインを検討する際に、ピッタリのイメージがすぐに生成されるわけではありませんが、メンバーの共通認識を組み立てていく過程で役立つと思います。ただ、「平屋」と言ってもひたすら二階建ての建築をしてくる頑固さもありました。いろいろな癖があって、それはそれで可愛く思えます。

デザイナーさんに頭の中にあるイメージを伝える際にも役立ちそうです。絵が上手な方は自分で絵を描いて説明できるでしょう(←羨ましい)。従来はインターネットから似たようなイメージの写真を見つけて、それを使って説明することが多かったかもしれません。

ターゲット顧客イメージ化

ChatGPTにこんな依頼をしてみました。

①都会で働く30代女性。栄養価が高く、忙しい日々の中でも簡単に取り入れられる持続可能な食品を求めている。
②健康・ウェルネスに関心がある外国人観光客。旅行中も健康的な食生活を続けたい、日本文化に興味がある若者
③日本独特の食文化を体験したい、抹茶を使った珍しい食品に興味があるビーガン(ベジタリアン)
これらを企画書に掲載して協力者の募集や融資申請等でアピールするためにイラスト化します。

実際に生成されたのが次のイラストです。企画書や融資の申請書類にこれらのイラストを加えるだけで、どんな顧客をイメージしているか、一目で分かりますね。

30代仕事が出来る女性と同僚
①都会で働く30代女性。栄養価が高く、忙しい日々の中でも簡単に取り入れられる持続可能な食品を求めている。
外国人若者
②健康・ウェルネスに関心がある外国人観光客。旅行中も健康的な食生活を続けたい、日本文化に興味がある若者
外国人60代夫婦
③日本独特の食文化を体験したい、抹茶を使った珍しい食品に興味があるビーガン(ベジタリアン)

説明資料の中で、私も今までは(「イラストAC」さんや「いらすとや」さんで)イメージに近いフリー画像を探していましたが、これからはもっとイメージに近づけることができそうです。個人的には、講座スライド、起業のテキストなどで大活躍が期待されます(今のところこれが有料のChatGPT4.0を使う一番の理由ですね)。クラウドファンディングにトライしようとする方も、リターンの活用場面を紹介する際に効果的な説明ができるかもしれません。

最後に

以上、AMA創業塾の一部を紹介させていただきました。

今回、第1期生の募集となります。あま市役所の事務局のみなさまとドキドキしながら応募を待っています。あま市で開業して3年以内の方、未開業で3年以内にあま市在住で創業を検討している方、名古屋市などあま市外の方でも、あま市で創業を検討している方は応募できます。既に開業している方でも、第二創業として新たな事業を検討している方も対象になります。

入塾願書やAMA創業塾の詳細は以下のリンク先をご覧ください。

AMA創業塾第1期生募集!

申込期限は5月31日です。みなさまのご応募をお待ちしています!

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